手芸店で買ったゴムひもが、息子の空手を変えた話
見えない「間合い」を、見える仕組みに変えてみた
「近い!」
「今度は遠すぎる!」
道場で、先生の声が何度も飛びます。
息子は空手を習っています。
空手には、相手と実際に戦ってポイントを取り合う「組手」と、決められた動きを行う「型」があります。
息子が取り組んでいるのは主に組手です。
組手では、相手との距離、「間合い」がとても大切になります。
近すぎれば相手の攻撃を受けやすくなり、遠すぎれば自分の攻撃が届きません。
先生は何度も、
「近い!相手の攻撃もらうぞ!」
「その距離じゃ届かない!」
と声を掛けていました。
でも、その「ちょうどいい距離」が、息子には分かりません。
先生に何度注意されても、
「何を直せばいいのか分からん。」
話を聞くと、相手に集中していると距離感が分からなくなり、近づきすぎたりしてしまうようです。
本人も
「距離わからんわ」とあきらめ気味。
感覚だけで身につけるには難しい。
そこで私は考えました。
見えない間合いを、見えるようにできないだろうか。
手芸店へ向かった理由
その週末、息子と一緒に手芸店へ行きました。
探していたのは、太めのゴムひもです。
道場の床は茶色っぽいので、できるだけ目立つ色がいい。
「白とかどう?」
細すぎると見えないから、ある程度太さも欲しい。
二人でそんな話をしながら、ちょうど良さそうなゴムを選びました。
ゴム一本で見える間合い
家に帰ると、さっそく試してみました。
お互いの腰にゴムひもをつけます。
長さは、自分の攻撃がちょうど届く距離。
その距離でゴムがピンと張るように調整しました。
この状態が、理想の間合いです。
近づきすぎるとゴムはダランと緩みます。
ゴムが緩んだら、
自分の攻撃は届きます。
でも、その分、相手の攻撃も届いてしまう危険な距離です。
逆に離れすぎると、自分の攻撃も届きません。
今まで先生に何度言われても分からなかった「間合い」が、ゴム一本で目に見えるようになりました。
見えないものを見えるように
最初は何度もゴムが緩みました。
「あ、近い。」
息子も自分で気付けるようになります。
先生に言われる前に、自分で修正できる。
感覚だけでは分からなかったものが、目で見えることで理解できるようになりました。
その後は、ゴムがピンと張った状態を保ちながら動きます。
そして、ゴムが緩んだ瞬間を合図に、一歩踏み込んで攻撃する。
そんな練習を2〜3週間ほど続けました。
道場で変わったこと
しばらくすると、道場でも変化が見え始めました。
以前より、相手との駆け引きが上手くできるようになったのです。
先生から
「近い!」
「遠すぎる!」
と注意される回数も、少しずつ減っていきました。
もちろん、ゴムひもだけで強くなったわけではありません。
でも、
感覚だけだったものを、見える形にしたこと。
それが理解を助けてくれたのだと思います。
見えないものを、見える仕組みにする
今回うまくいった理由は、
練習量を増やしたからではありません。
才能が急に伸びたからでもありません。
ただ、
見えない「間合い」を、見える仕組みに変えただけです。
人は、感覚だけでは学びにくいことがあります。
だから私は、
「もっと頑張ろう」
よりも、
「もっと分かりやすくできないか」
を考えるようになりました。
子育ても、仕事も同じです。
人は、「もっと頑張れ」と言われても、何をどう変えればいいのか分からないことがあります。
だから私は、見えないものを見えるようにすることを考えます。
ゴムひも一本で間合いが分かったように、仕組みを少し変えるだけで、人は驚くほど動きやすくなることがある。
人は、頑張ることで変わるとは限りません。
でも、
見えないものが見えるようになると、動き出せることがあります。
私はこれからも、
見えないものを見える仕組みを考え続けていきたいと思っています。






はじめまして。
感覚は経験が必要になるけど、ゴムで距離間を取るって感覚と視覚でわかりますね。
経験が倍速で付きそうで素晴らしい案です。
同じようなことを子供たちから聞かれることがあります。
その勉強にどんな意味付けをしてあげられるか考えていたので回転寿司はめちゃくちゃ参考になりました!
サーモンで締めるという息子さんいいですね(° ꈊ °)✧キラーン私はかっぱ巻きで締めます(笑)